昨今の情報技術の進歩にともない、著作権等の権利者は、さまざまな問題に直面しております。人形浄瑠璃文楽においても、2003年11月にユネスコの世界無形遺産の宣言を受けて以来、書籍や雑誌、ポスターやチラシにも取り上げていただく機会が増えてまいりましたが、同時に、無断使用により、文楽技芸員の権利が侵害され、心ない行為により、かえって、文楽の高い芸術性が損なわれるなど、疑問に思う使われ方を目にすることもあります。

そこで、文楽の写真や映像を利用しようとお考えになっている皆様に、文楽技芸員や撮影をする写真家の権利についてご理解いただき、正しくご使用いただけるよう、利用の手引きを作成しました。

「著作権」や「著作隣接権」等々という言葉を聞くと、難しいとか、厄介なことと思われるかもしれませんが、ここにご案内する手順等をお守りいただければ、決して難しいことではありません。ぜひ、ご一読ください。

事前の許諾で、正しい使用を!

人形浄瑠璃文楽の実演の録音・録画物には、文楽技芸員をはじめとして、その制作に関わった多くの人々の権利が存在し、保護されています。

たとえば、文楽技芸員には、実演家として、著作権法上、著作隣接権という権利が認められており、技芸員の事前の許諾なしに、実演を録音・録画したり、インターネットのホームページに画像データーをアップロードしたりすることはできません。

さらに、許諾なく、実演を写真撮影・利用するなどの行為は、肖像権、人格権あるいはパブリシティ権を侵害する行為として、不法行為責任が問われることになります。

ここでは、各々の権利についての説明は省略いたしますが、文楽の舞台写真や舞台映像などを使用する場合には、技芸員の許諾とともに、写真などを撮影した写真家の許諾が、映像においては製作者の許諾が、同時に必要となることにつきご理解いただきたく、使用を希望される場合には、必ず、事前にそれぞれの権利者へのお問い合わせを忘れないようお願いいたします。